最終更新日 2012年6月16日
Broadcom社(ブロードコム)社は、現地時間の6月4日に新たな5GWiFiの機能
を搭載する半導体製品を発表しました。(米カリフォルニア州アーバイン)
発表したチップは、次の製品系列です。
・BCM5301x シリーズ(オフィス向け)
・BCM4708x シリーズ(家庭向け)
二つのシリーズの相違点については情報がなく「オフィス向け」と「家庭向け」
くらいしか分かりません。(当然、データシートは未公開です。おそらくNDA
が必要で、有力な顧客向けでしょう。NDA: Non Disclosure Agreement)
末尾のxは複数の型名があり、BCM5301x シリーズには次の3種類が存在する
ようです。(違いについては、情報がなく不明。)
・BCM53010
・BCM53011
・BCM53012
肝心のチップの仕様ですが、SoCというだけあって実に盛りだくさんの機能を
搭載します。
ネットワーク通信機能
・802.11ac
・USB 3.0
・Gbe スイッチコアとトランシーバ(PHY)
・11 Gbps 全二重ラインレートスイッチ
・5つの 10/100/1000 トランシーバ(PHY)
コントローラ機能とメモリインタフェース
・ARM A9 デュアルコア
・32KB 命令キャッシュ、32KBデータキャッシュメモリ(1コアあたり)
・256KB L2キャッシュメモリ
・DDR2/3(800MHzまで)DDR3-1600
老婆心ながら、キャッシュは「cache」のほうで「cash 現金」ではなく
「貯蔵所」や「隠し場所」の意味です。
ブラウザや検索エンジンのキャッシュも同じです。
USB3.0は、ご存知の方も多いと思いますが、5 Gbpsを実現する汎用のシリアル
バスです。USB-Hub等の製品でも、やっと出始めたばかりの状況です。
USBは、ケーブル長や接続台数の制限でLAN (Local Area Network) のよう
な柔軟性は望めませんが、手軽につなぐことができます。
他の5GWiFiのチップと大きく異なる点は、コントローラ (CPU)と通信ネット
ワーク用の周辺回路機能を内蔵するSoC (System on Chip) であり、すなわち
1個のチップで装置の中枢部分は(ハードウェアに関しては)ほぼ完成して
しまうところです。
このチップの大きな特徴です。
製品サンプルはすでに提供しているらしく、量産は今年後半の予定です。
Broadcom社のニュースリリース
http://www.broadcom.com/press/release.php?id=s680032
http://files.shareholder.com/downloads/BRCM/1925797628x0x574592/a49f6b6b-850c-4b9f-87ea-467ea6853b4d/BRCM_News_2012_6_5_Mobile_and_Wireless_News.pdf
BCM5301x の製品ページ
http://ja.broadcom.com/products/Processors/Carrier-and-Service-Provider/BCM5301x-Series
Broadcom社 Computex 2012のページ(製品紹介の動画あり)
http://www.broadcom.com/company/events/computex12.php