ツイストペア・ケーブル Twisted Pair Cable

形状
 2本のワイアを一定間隔の距離でひねった形状のもの。「ひねり」には重要な理由がある。(「特徴」を参照)
 LANケーブルでは、4対が多く、24対、50対や100対のものもある。

特徴
・同軸ケーブルと比較すると安価。
・ケーブルは細く、柔らかいので敷設が楽なこと。
・「ひねり」の効果により遠いノイズ源からの影響に強いが、近くのノイズ源には弱い。
・ケーブル内の他の芯線は近いノイズ源であり、影響を防ぐにはペアごとのピッチを変えるしかない。ツイストペア・ケーブルではペアごとにピッチを変えてある。

特性インピーダンス
 ケーブルには特性インピーダンス ZOがあり、100Ω、120、150Ωなどがある。ZOは直流抵抗ではなく導通計で測ることはできないが、同軸ケーブルも同じ。高速信号を扱う回路では、ZOと等しい抵抗で終端し、信号の反射やあばれを防ぐことが重要である。
 ZOは分布定数回路 (distributed constant circuit)の特性が示すパラメータで、単位長さあたりのインダクタンスとキャパシタンス、2本のワイアの直径、間の距離、絶縁体の比誘電率 (dielectric constant) で決まる。

同軸ケーブルとの類似点
 ツイストペア・ケーブルはシールドがないが、原理は同軸ケーブル (coaxial cable) と同じ。同軸ケーブルは外側をシールドする点が異なる。
 オーディオ帯域用のシールド線は、構造は同軸ケーブルと同じだが特性インピーダンス ZOを管理しない点が異なる。同軸ケーブルはZOを厳密に管理する。

漏話
 ペアどおしは、電磁結合と静電結合を起こす。これが原因でペア間では漏話(クロストーク 信号の漏れ)が発生する。防ぐにはペアごとのピッチを変え、漏話しにくくする。

解説記事
伝送路とは [5] ー ツイストペア・ケーブル