更新情報
2014.01.14 参考記事を追加
2013.12.11 磁気遮蔽効果について追加
2013.04.12 遮断周波数について追加
信号の伝送に用いるケーブルで、断面が同心円を何層にも重ねた形状から付いた名前のもの。主に高周波(無線の周波数)や高速(立ち上がり時間小)の信号を扱うときに用いる。ケーブルには特性インピーダンスがあり、ケーブルを構成する絶縁体の比誘電率と直径から計算で求まる。特性インピーダンスと等しい抵抗で終端したケーブルは、高周波信号を遠くまで正確に伝送することができる(ただし、減衰する)。
特性インピーダンスはケーブルを分布定数線路で表したときの等価インダクタンスと等価キャパシタンスにより計算式で決まる値に等しい。分布定数線路は、簡単に表現すると信号を伝えるときに伝達時間を無視できない伝送路のこと。(集中定数線路はこれと対比し、伝達時間を無視できる。)波長や信号の立ち上がり時間と伝送距離の比率がある程度以上長いときに使用するが、特性インピーダンスや終端インピーダンスを正確に管理しないと、信号をうまく伝えることはできない。
同軸ケーブルは、遮断周波数 fc (Cutoff Frequency) があり、使える周波数の限界を示す。fc以下では、TEMモードで伝播する。(TEM: Transverse Electric Mode) TEMモードは、電界は磁界を誘起し、磁界は電界を誘起し交互に繰り返しながら伝わる。fcは、伝播速度、誘電体の比誘電率、外部導体の内径、中心導体の外径により決まる式で求めることができる。fcは、一般にケーブルが太いほど低く、比誘電率が大きいほど低い。
同軸ケーブルにはツイストペアケーブルと同じように磁気遮蔽(電磁シールド)効果がある。磁気遮蔽効果には遮蔽遮断周波数 (shield cut off frequency) fC が存在し、fCの5倍以上では有効に働き、これより低い周波数では十分ではない。(低い周波数では物理的に同軸であるだけで、電気的には同軸ケーブルではない)具体的には、RG58等のfCは2KHz程度である。磁気遮蔽効果の原理は構造に由来する本質的なもので、シールドと中心導体それぞれに流れる電流は逆向きの磁界を発生し、打ち消すように作用する。