ハブとは(ネットワークハブ)

ハブの基本機能

ここでは、ネットワーク機器のハブについて解説します。

「ハブ」の名前の由来は「車輪の中心」からきたものです。

ハブは、イーサネット (Ethernet)などのネットワークで使用します。
(イーサネット以外のネットワークは他にもあります。)
ここでは主にイーサネットに関して解説します。

ハブは集線装置で、その機能は信号を中継することです。基本的な働きは、
次のとおりです。

  ・信号(IPパケット)を集める
  ・信号(IPパケット)を分配する

基本的な機能について次に説明します。

「信号を集める」とはいっても、「ごちゃ混ぜにする」ことではありません。
通信プロトコル(一定の規則)に従った方法で通信を行い信号を集めますが、
あるタイミング(時刻)にハブが処理する信号は、一つの機器から送信した
ものだけで、ハブにつながる別の機器の信号は混じりません。

それは、次の規則に従って動作するからです。

イーサネットでは、CSMA/CDという通信プロトコルを使用し通信を行い、
衝突が起きてもこれを回避する動作を行います。

  CSMA/CD carrier-sense multiple access with collision detection

CSMA/CDについては、次の記事にある「プロトコル(通信手順)」も参照
ください。

  無線LAN
  http://wimax-page.123-info.net/archives/228

「信号を分配する」機能のほうは、「一つのものをみんなで分ける」のでは
なく、「コピーして皆に同じものを配る」処理を行います。

つまり、ポートの数だけ同じ信号を送出します。これは、次の節で説明する
「リピーターハブ」の機能で、この動作を「ブロードキャスト」(broadcast)
と言います。

この言葉を専門用語であるかのような言い方をする人を見かけますが、特別な
ものではなく「放送」とまったく同じ意味で、「不特定多数に同じ情報を同時
に送ること」です。マスメディアの放送と違うのは、受信者(機器)の数が
桁違いに異なる点です。

リピーターハブとスイッチングハブ

ハブは、「リピーターハブ」と「スイッチングハブ」があります。

  リピーターハブ   Repeater Hub
  スイッチングハブ  Switching Hub

「リピート」は「繰り返す」の意味ですが、「ハブの基本機能」で解説した
ように、信号を中継・分配する機能(コピーして皆に同じものを配る)から
きています。

リピーターハブは、ネットワーク内の全ての機器にデータを送信し、受信した
機器側は必要かどうかを判断して処理します。(ブロードキャストの動作)

スイッチングハブは、どの端末にデータを送るべきかを判断し該当する端末
のみにデータを送信する機能があります。これは、通信の初期段階で、
どのIPアドレスの機器がつながっているかを記録することにより判断します。

一つの決まった相手に対して送信する動作をユニキャスト(unicast)と
言います。

リピーターハブは、ブロードキャスト動作を行いますが、これに対して
スイッチングハブは、ユニキャストを行う違いがあります。

リピーターハブを使うと、少し規模の大きなネットワークでは特に、不要な
トラフィック(データの流れ)が増えます。混雑を避けるには、
スイッチングハブのほうがネットワ−クの負荷が減ります。

スイッチングハブは複雑で、以前は高価でしたが、最近は価格が下がり安く
買うことができるようになりました。もう、ほとんどこのタイプしか売って
いないようです。

リタイミング機能

信号は、伝送路(ケーブルその他)を伝わるあいだに振幅の減衰、波形歪み
とジッタの増加などがあり、距離が長いと特に顕著に現れます。

  1.振幅の減衰   信号が小さくなること
  2.波形歪み    形がくずれること
  3.ジッタ(jitter)  時間軸の揺らぎ

上記の(1)と(2)は、特にハイビットレートの高速な信号を扱う回路では
顕著に現れ、必須の機能です。整形方法は割りと簡単で、デジタル信号を扱う
回路においては特殊なものではありません。

めんどうなのは(3)です。ジッタは位相のゆらぎによるノイズ (phase noise)
です。これ以上の詳細については、ここでは触れません。

  実際に波形を見た経験のある方なら分かりますが、数百メガbps以上の
  信号は、とてもデジタルと呼べるものではありません。
  
  EthernetやUSBに限らず、通信ケーブルの信号波形を扱う部分の回路を
  業界ではPHY(物理層のPhisics layerから来ている)と言いますが、
  先端部分の回路は、実際にすべてアナログです。
  
  高速信号を扱う装置の性能は、PHYを構成するアナログ回路の出来しだい
  と言っても過言ではありません。
  
  デジタルで動く装置は、デジタルしか扱わないと信じている人は、ショック
  を受けるかもしれません。

ハブは、信号を中継する前に、整形することにより復元して元の信号に戻す
働きがあります。

リタイミング機能は、信号波形の振幅方向の形のくずれを改善し、また、
時間軸方向のずれも改善します。

高速の信号を扱う用途では、イコライザ(equalizer)という回路があります。
イコライザは、信号の振幅方向の特性を補償し改善する機能です。

リタイミング機能は、イコライザも内部に含みます。

プリアンブル再生機能

ネットワークで通信するパケットには、「プリアンブル」という7バイト
(56個)の1と0の連続した信号が先頭に付きます。しかし、10Baseの規格
であり、他では使いませんが、100base規格では、互換のため残してあります。

  プリアンブル    preamble 通信開始を合図する目的の信号
  1バイト     =8ビット ビットは、デジタル信号を数える単位
  10 base規格   10 メガビット毎秒の通信規格
  100 base規格  100 メガビット毎秒の通信規格

信号を伝送するあいだにプリアンブルが消失することがあり、ハブには、
これを再生する機能があります。