無線LANの接続形態

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<更新情報>
2012.05.12
  記事のカテゴリを変更しました。
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無線LANは、その名のとおり無線で通信し、LANを実現します。

  LAN Local Area Network

無線LANの方式はいくつもありますが、IEEEが定める規格 IEEE802.11
シリーズが有名です。

  IEEE Institute of Electrical and Electronics Engineers
  アメリカ合衆国に本部がある電気・電子技術の学会。
  この種の団体では世界最大と考えられます。

無線LANはこれだけではありません。次の規格もあります。

  IEEE 802.15シリーズの例
  IEEE 802.15.1   ー Bluetooth
  IEEE 802.15.3a   ー UWB (Ultra Wide Band)
  IEEE 802.15.4   ー ZigBee

ただ普通に「無線LAN」というとIEEE802.11シリーズを指すことが多い
ようです。

  IEEE 802.11シリーズの例
  IEEE 802.11a
  IEEE 802.11b
  IEEE 802.11g
  IEEE 802.11j
  IEEE 802.11n
  IEEE 802.11ac
  IEEE 802.11ad

WiFiは、米国のWi-Fiアライアンスが認定したIEEE802.11対応の製品に付ける
ブランドで、機器の相互接続性を保証します。

WiFiについては、次の記事をどうぞ。

  WiFiとは
  http://wimax-page.123-info.net/archives/60

IEEE802.11シリーズの規格

  図 IEEE802.11シリーズの規格

無線LANではこれ以外の規格も存在しますが、一般的なものだけを示してあります。

速度は「公称速度」で、システムの理論上の最大値です。ユーザーが利用できる
実効速度を意味しません。実効速度は条件により変化し、1割に満たないことも
あります。

802.11nの5GHz帯

802.11nは、2.4GHz帯と5GHz帯の2種類が存在します。

2種類の周波数帯の割当については、2.4GHz帯は14チャンネルあるものの、
少しずつ重なり実質は3チャンネルしかないようにみえます。使用する機器が
多いと、チャンネル間の干渉が発生します。

  書くのが大変なので図は簡略化しました。実際には、各チャンネルの
  スペクトルはずっと複雑で、サイドローブと呼ぶ段が付きます。

  送信するときにはフィルタでサイドローブを落としますが、取りきれません。
  わずかに残ります。図のように30dB残ると、電圧比で基本波の約1/30
  のエネルギーです。

  図 802.11n 2.4GHz チャンネル割当

もう一つの5GHz帯は19チャンネルあります。2.4GHz帯とは周波数の割当て
は異なり、それぞれのチャンネルは重なりません。5GHz帯は、まるまる19
チャンネルすべて使えるということです。

当然ですが、5GHz帯のほうが有利です。

  図 802.11n 5GHz チャンネル割当

ルーターは2.4GHz/5GHzが便利

しかし、すべての製品が5GHz帯ではありません。家庭用基地局にする無線LAN
アクセスポイントは、2.4GHzと5GHz帯の両方に対応するものを選ぶと便利です。

値段が安い!

と思って、良く確認せずに買うと、2.4GHz帯のみにしか対応しない製品も
あります。

無線LANアクセスポイント(ルーター)と子機それぞれで5GHz帯に対応する
のか、確認したほうがいいです。

LAN接続について

冒頭で説明しましたが、無線LANは、無線を使ってLANを構成します。

つまり、LANは近くにある機器をつなぐネットワークですから、つなぎたい
機器を無線を使ってつなぐということです。

ですので、無線LAN対応の機器でないとつながりません。

WAN接続について

WANは、Wide Area Networkです。速い話がほとんどの場合は、
インターネットのことです。機器のマニュアルには、「インターネット」とは
書かずに「WAN」と書いてあるはずです。
(インターネットは固有名詞で、一般の名称ではないため)

WAN接続の方法はいくつかあり、大きく分けると有線と無線です。

・有線でブロードバンドモデム等でつなぐ
 (光回線終端装置、ADSLモデム、ケーブルモデムなど)
・無線LANで公衆無線LANスポットにつなぐ
・WiMAX回線で基地局につなぐ
・携帯電話回線で基地局につなぐ

ブロードバンドモデムでつなぐ

WAN接続を有線でインターネットにつなぐ方法です。

  図 ブロードバンドモデム+WLAN

無線でつなぐ

モバイルルーターのWAN接続には、いくつかの「無線でつなぐ」方法を備える
製品があります。

・無線LANでつなぐ
・WiMAX回線でつなぐ
・携帯電話回線でつなぐ

  図 モバイルルーター

実際の製品では、
たとえばこちらのお店モバスクモール ソフトバンク店

で扱っている製品が相当します。

「モバイルルーター」については、どの方法で「WAN接続」するかにより
呼び方の違いがあります。

・モバイルWiFiルーター
・モバイルWiMAXルーター

SSIDについて

SSIDは、簡単にいうと無線LANルーターの名前です。出荷時に設定して
ありますが、分かりやすい名前に変更することができます。

近所からの無線LANの電波が届くのは普通にあり、どれが自宅のものか
分からなくなることもあります。SSIDを変更しておくと使いやすいです。

暗号化方式について

ゲーム機などは、安全度の低い方式しか選べないことがあり、注意が必要です。

暗号化方式については、次の記事をどうぞ。

  WiFiの暗号化通信について
  http://wimax-page.123-info.net/archives/110

Macintoshは無線LANルーターにできる

Macを使っている人は、簡単な設定で本体を無線LANルーターにすることが
できます。覚えておくと便利かもしれません。

Mac OS Xに標準搭載の機能を使用します。
ただし、注意点は、WEP暗号化しか選べず脆弱な点です。

設定方法
・「システム環境設定」を開く →「共有」
・「共有する接続経路」を選ぶ
・「相手の使用するポート」を選ぶ
・暗号化するときは「AirMacオプション」より
 パスワードとキーの長さを指定
・「インターネット共有」にチェックする

暗号化方式について、詳しくは上記の記事「WiFiの暗号化通信について」を
参照ください。

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一部のイラストは、次のサイト様の素材を利用しました。
  来夢来人     http://www.civillink.net/
  イラストわんバグ http://www.wanpug.com/