イーモバイルのDC-HSDPA通信方式

DC-HSDPA方式

「イーモバイル」は高速データ通信に特化した携帯電話の会社ですが、ここで
話題にするのは携帯電話ではなく、データ通信の方式です。
その方式は、「DC-HSDPA」という第3世代の移動通信システムの一種で、
「3G+」とか「3.5G」などと呼んでいます。

なお、イーモバイルでは、「WiFiサービス」も行っていますがここでは省略
します。

DC-HSDPAは、「HSDPA」という通信技術を改良したものです。

  HSDPA    High-Speed Downlink Packet Access
  DC-HSDPA  Dual Cell HSDPA

DC-HSDPA方式とLTE方式

DC-HSDPAでは下り速度は最大42Mbit/s です。
(下り:インターネット → ユーザー端末)

同社が提供するデータ通信システムは、この回線を利用し高速で快適な
インターネット接続環境を実現するものです。

他にNTTドコモやソフトバンクモバイルの「LTEサービス」がありますが、
こちらは「3.9G」と呼んでいます。

  LTE  Long Term Evolution

3.5Gか3.9Gかというのは、あまり問題ではないと思います。

通信規格ではたしかに、LTEのほうが高速ですが、実際にはさまざまな要素が
あり、実用上どうかはまた別の問題です。

速度に関しては、情報によると、実用上は大きく違わないようです。

DC-HSDPA方式の内部

技術的な話ですが、DC-HSDPAは複数のユーザーで通信回線を共用します。
(共用はこれに限らず、さまざまな通信技術に共通します。)

各ユーザーの端末は、「下り信号の品質」を毎秒500回ほど基地局に定期的に
通知する処理を行います。

基地局は、次の1000分の2秒のフレーム(時間の区切り)でどのユーザーに
どれだけの量のデータを送るかを決める処理を行います。

つまり、電波の状態がどうかという情報を、基地局に頻繁に送信し、基地局は
状況を把握し、次の処理をどうするかの判断を行い、データを送信します。

こんな事を高速で行っているんです。

想像できますか?
毎秒500回です!

似たような話ですが、Bluetooth 通信方式では「周波数ホッピング」技術を使い
「常に通信チャンネルを切り替え続ける」処理を行います。

その速度は、何と毎秒1600回です!

さまざまなメリットがあるからですが、ここでは、詳細については触れません。

HSDPAでは、電波の状態が良ければ「変調方式」を途中で変更し、データ
転送量を上げる処理を行います。

「変調」処理について、詳細は次の記事をどうぞ。

  モデムとは
  http://wimax-page.123-info.net/archives/330

デジタル変調では、方式により単位時間あたりの通信できるデータ量が異なります。
時間あたりの量が多いと「スループットが高い」と表現します。

HSDPAでは、電波の状態が良ければ変調方式を変更し、転送可能な量を増やす
操作を行い、スループットを上げます。状態が悪くなると、再度変更し
スループットを下げます。

こんなことができるようになったのは、半導体技術の進歩によるところが、
大きいです。

DC-HSDPA方式とその他

同程度の通信速度を実現するサービスは、他にWiMAXがあります。

WiMAXについては、次の記事をどうぞ。

  WIMAXとは
  http://wimax-page.123-info.net/archives/7