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この記事は、下記のサイトに投稿したものをこちらに移転しました。
元記事のURL:http://wimax-page.seesaa.net/article/255452938.html
作成日 :2012年3月4日
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ソフトバンクモバイルが、2月20日に発表した情報です。
「下り速度が最大で110Mbpsの高速データ通信サービス「SoftBank 4G」
を2月24日から開始します。」
実際には、「SoftBank 4G」サービスは2011年11月1日に開始しましたが、
利用できる端末は今まで無かったので、24日の端末の発売に合わせて
使えるようになりました。
同社の情報によると、このデータ通信サービスは「業界最速」です。
(無線では)
「SoftBank 4G」は「AXGP」という2.5GHz帯の移動無線システムを
使います。「AXGP」は「XGP」を改良したものです。
新しい端末は、AXGPが使えない基地局では、3G回線で使えます。
対応エリアは、2011年度末の時点で札幌市、関東の中心地区、名古屋、
大阪、神戸、福岡、北九州などですが、2012年度末には全国政令指定
都市のほぼ全てに広がる予定です。
新しい端末「SoftBank 101SI」の仕様です。
形状 Wi-Fiルータータイプ
WAN※接続 3G方式、AXGP方式(2.5GHz、日本国内のみ)
LAN※接続 IEEE802.11b/g/n (WiFi※)、USB2.0
電源 バッテリー:DC3.7V(最大9時間)
通信速度 AXGP回線 : 下り最大76Mbps、上り最大10Mbps
3G回線 : 下り最大42Mbps、上り最大5.7Mbps
(ベストエフォート方式)
WiFi機器 最大10台を同時接続
※LAN Local Area Network(家庭や事務所などのネットワーク)
※WAN Wide Area Network(普通はインターネットと同義)
※WiFi 米国の団体WiFiアライアンスが認定する無線LANのブランドです。
WiFiは、ほぼ「無線LAN」と言い換えても問題ありませんが、
詳しくは、次の記事をどうぞ。
WiFiとは
http://wimax-page.123-info.net/archives/60
無線LAN
http://wimax-page.123-info.net/archives/228
AXGPとは
まず、XGPというPHSを高速化した通信規格があります。
「AXGP」は、XGPをさらに改良したものです。
AXGP Advanced XGP
XGP eXtended Global Platform
PHS Personal Handyphone System
AXGPの帯域幅は従来の10MHzから20MHzに広がり、「上り」
(ユーザー端末から基地局への伝送)方向の多元接続の方式に
「SC-FDMA」方式を追加しています。
多元接続 複数の無線局(ユーザー端末)が同じ電波帯域を共有し
情報通信を行うこと。
つまり、複数の携帯端末ユーザーが一つの基地局に
同時につないで通信すること。
XGP
XGP eXtended Global Platform
XGPは、PHSの標準規格です。
XGPは最高100Mbpsの通信速度と、最高毎時300kmの移動中にも
通信できることを目指し作られたものです。
日本ではウィルコムが「WILLCOM CORE XGP」の名称で2009年4月から
サービスを開始しました。
XGPは2007年9月に、PHS関連の業界団体であるPHS MoU Group(当時)
により標準化が行われています。
ITU-R(国際電気通信連合・無線通信部門)によりITU-R M.1801規格の一部として、
日本では電波産業会(ARIB)によりSTD-T95として承認されました。
これは、業者さんから見たときのメリットですが、PHSの特徴である
マイクロセル方式を使い、人口過密地域では電波の利用効率が高い特徴が
あります。
マイクロセル方式は、一つの基地局が受け持つ範囲が狭い
これに対して
マクロセル方式は、一つの基地局が受け持つ範囲が広い
通信方式は、MIMOやOFDMなど、モバイルWiMAX等も採用する方式を
取り入れ、他の機器で使うLSIなどを共用できるので、機器のコストを
削減できる特徴があります。
MIMO Multiple Input Multiple Output
複数の通信路(チャンネル)を設けて伝送速度を上げる仕組み
OFDM Orthogonal Frequency Division Multiplexing
直交周波数分割多重方式
データを多数の搬送波(サブキャリア)に乗せる変調方式
悪い状況の伝送路に強いのが特徴
(この利点から無線LANやADSLその他でも多く使います。)
(しかし、当然ながら利点ばかりではありません。)
モバイルWiMAX(IEEE 802.16m)
WiMAX規格(IEEE 802.16-2004)を高速移動体通信用に
改良したものと考えることができます。
LSI Large Scale Integrated Circuit
集積度の高い半導体素子
以前は、素子数により「VLSI」や「ULSI」などの使い分け
がありましたが、最近ではあまり使いません。
「変調」とは何かについては、次の記事を参照ください。
「デジタル変調の方式」の項に概要を説明しています。
モデムとは
http://wimax-page.123-info.net/archives/330
モバイルWiMAXではありませんが、WIMAXの概要については
次の記事をどうぞ。
WIMAXとは
http://wimax-page.123-info.net/archives/7
SC-FDMA
「SC-FDMA」は「多元接続」を実現する方式の一つです。
SC-FDMA Single Carrier Frequency Division Multiple Access
SC-FDMAの利点をごく簡単に説明すると、従来の方式に比べて送信電力を
抑えることができ、この部分の低消費電力と小型化に貢献します。
ただ、利点ばかりではなく、非常に複雑な処理を行うので処理回路の負担は
増加します。
携帯端末について
携帯端末は、説明するまでもなく電波を使います。端末は基地局との間で
通信しますが、一つの基地局は受け持つ範囲があります。だいたい電波の届く
範囲ですが、一つの基地局と通信するユーザー数は、人口密度の高い地域ほど
増えます。
携帯端末では同時に通話する人数はとても多く、たとえば、テレビの
チャンネルと同じように単純に周波数を分割する方式では、チャンネル数
を使い切ってしまい、すぐに不足します。
周波数を分割して使う仕組みは「周波数多重」と呼びます。携帯端末では
この方式は周波数の利用率が悪く、効率よく運用できません。
多くの人が携帯端末を同時接続する使い方(多元接続)を実現するには
かなりの工夫が必要です。しかも、音声通信だけならまだ低速ですみますが、
データ通信の高速化は常に求められ、少なくとも現在までは、これでもう
十分ということが無いのは、ご承知のとおりです。
第一世代、第二世代、第三世代と進むにつれ、着実に技術は進み
携帯端末はかなり高度化しています。