───────────────────────────────────
＜更新情報＞
　　発表記事を改めて読み直すと、次の部分は「上り」ではなく「下り」
　　のようです。はっきりとそう書いてありませんが、文脈からはそのように
　　読めます。
　　
　　「上り」のUQWiMAXは、10Mbpsを超える地点もあったらしい
　　　↓
　　「下り」のUQWiMAXは、10Mbpsを超える地点もあったらしい
───────────────────────────────────

興味深い実測調査

ICT総研は、4社が提供する次世代高速データ通信の速度について、東名阪
26ヶ所で実測調査した結果を、3月7日に公開しました。

４社の提供するデータ通信は、次のサービスです。

　　図　モバイルサービス

図の速度は、そのシステムの全帯域幅（速度）を示す「公称速度」です。
これは、ユーザーが利用できる速度を意味しません。ユーザーが利用できる
「実効速度」は、公称速度よりも低い値です。

実効速度が低い要因は、いろいろあります。システムのオーバーヘッド、
エラー発生による再送、ベストエフォート方式による低下などです。

それぞれの詳細については、次の記事を参考にどうぞ。
　　
　　無線LANの実効速度
　　http://wimax-page.123-info.net/archives/248

　　WiMAXはベストエフォート型サービス
　　http://wimax-page.123-info.net/archives/52
　　
　　ベストエフォート型サービスに関する話題
　　http://wimax-page.123-info.net/archives/167

各サービスの速度が実際にどれくらいなのか、非常に興味があるのでは
ないでしょうか。

調査の方法は、それぞれのサービスに対応のデータ通信端末とノートPCを
使用し、ベンチマーク用のサイトやYouTubeの動画視聴により行いました。

　　ベンチマーク用のサイト　「BNRスピードテスト」
　　http://www.musen-lan.com/speed/
　　
　　YouTube
　　http://www.youtube.com/

東京、名古屋、大阪の26の地点で、昼と夜の時間帯について計測しています。
１機種あたりの計測回数は、なんと計936回（！）にも達し、動画の視聴は
計156回だそうです。

これだけの回数の平均値を出してあり、かなり意味のある有効なデータでは
ないかと思います。

結果は、以下のとおりですが、上り速度は際立ってはいないにしても下り
速度のソフトバンクはもう圧倒的で、他の追随を許しません。
（上りも最速ですが）

　　図　ベンチマークの結果

　　図は「YouTubeの視聴」は含まず（省略します）

ただ、可能な限り同じ条件とは言っても、ソフトバンクのサービスは2月24日
に開始したばかりです。利用者の数はまだ多くなくこの影響も当然あることが
考えられます。

個人的な感想を言わせてもらうと、平均値だけではなく「最頻値」もぜひ
出していただきたいと思いました。

統計が少し分かる人ならご存知ですが、「平均値」が常に意味のある値を示す
とは限りません。

　　「平均値」は、データのまとまり（母集団）が正規分布のとき意味を成し
　　有効です。正規分布でないデータでは「最頻値」のほうが有効な指標の
　　ことが多いです。

結果について補足ですが、「上り 下り」のUQWiMAXは、10Mbps
を超える地点もあったらしいです。建物の内部や障害物により平均は伸びていません。

「下り」のNTT docomoのXiは、場所により10Mbpsを超えたそうです。やはり、
場所によっては不利な状況があるようです。

SoftBank 4Gは、後発なので有利なのは当たり前です。次世代高速データ通信
「4G」はまだ始まったばかりですが、このような結果が公表されると、各社
サービスの性能争いは今後はさらに激しくなるでしょうね。

ユーザーにとってはうれしいことです。